カノン




『…悪ぃ、今の話 全部 聞いてた。


それでも まだアイツ、探しに行く?』




『XXくん…!!』






『XX…、何処に……』




『たまたま通り掛かっただけ、なんだけどね…

聞き捨てならない名前が、聴こえて来たから』






『……聞き捨てならない名前って…、

それ って、葉月リア…?


"葉月リア"の名前が聴こえて来たから…?




…ねぇ

XXに とって"葉月リア"って、何なの?


何で、あんな奴の事 気にするの?




XXは騙されてるんだよ!


あんな奴に、

XXが優しくする必要なんて無い!


だって…

だって、アイツはねぇ……!!




…!?』






『…せーな…

…黙れ。




これ以上アイツの悪口 言ったら、


…マジで怒るよ?』




『……!!…』






『アイツが すげーモテるの、知ってるよ。


アイツが誰を好きなのかも、知ってる。


分かった上で、居るんだよ』




『……』






『アイツは、人を騙すような人間じゃないけど…

でも仮に俺を騙そう として近付いているんだ と しても、

それでも、構わない。


…お前に とやかく言われる事じゃ ねーんだよ』






壁に手を付いて、逃げ道を塞いで、吐き捨てた。




そういや、前にも こんな事あったな……。





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