カノン
「………はぁ」
「でけー溜め息 笑」
気付けば目の前で、可笑しそうに目を細めたカナタが そう言った。
2人で出るラジオの打ち合わせを、スタッフも含めて した所までは憶えてるんだけど…。
いつの間にか、2人きりに なってた。
…あれ?
打ち合わせ、何 話したっけ…?
「つかお前、本番 大丈夫だろうな?笑」
カナタが明らかな疑いの眼差しを向けながら、冗談めかして言った。
…今日は現場に、サナは居ない。
5人 全員で出るなら まだしも、
さすがにメンバー2人に対してマネージャー2人という訳にも行かず…。
今日は送迎も含めて、手島さんが1人で面倒を見てくれてる。
その手島さんは…、
今は多分 電話とかで席を外しているのか、見当たらない。
ラジオだから、メイクさんが付く必要も無いし…、
手島さんとラジオのスタッフさんが席を外せば、必然的に俺ら以外は誰も居なくなる。