カノン




「もしかして…

今日も、あの子に尾けられてたん?


そりゃ、ごくろーさん だわ…」




カナタも、楓の しつこさ を よく分かっていて、

辟易したように、言った。






「でも ま、

さすがに今日は もう来ないっしょ。


ラジオ終わるの、夜中だし」




「…まぁ」






「それに しても、

モテる男は辛いねぇ~ 笑」




溜め息 混じりに、

でも笑いながら、カナタが言う。






「……嫌味かよ」




「いや、マジで。


だって俺、そんな経験ないもん。




お前は昔からモテてたからな~…」






「…何それ。


つか別にモテてねーし」




思った通りの事を言っただけ なのに、

カナタは やれやれ と、今度は呆れたような溜め息を吐いた。






「自覚 無しかい 笑




…お前、普っ通ーにモテるよ。


なんつーの?


一見 怖そう だけど、

話ウマくて誰にも合わせられて…所謂"女子が好きになるタイプ"ってやつ なんだよ 笑




あの子もさ、

ある意味 普っ通ーに、他の女子と同じ感じで お前のトラップ(笑)に引っ掛かっちゃったんだよ 笑」




そう言うと、

"…ま、そう考えると あの子に少し同情 出来るけどな"なんて、続けて無責任な事を ほざいた。





< 215 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop