カノン
「もしかして…
今日も、あの子に尾けられてたん?
そりゃ、ごくろーさん だわ…」
カナタも、楓の しつこさ を よく分かっていて、
辟易したように、言った。
「でも ま、
さすがに今日は もう来ないっしょ。
ラジオ終わるの、夜中だし」
「…まぁ」
「それに しても、
モテる男は辛いねぇ~ 笑」
溜め息 混じりに、
でも笑いながら、カナタが言う。
「……嫌味かよ」
「いや、マジで。
だって俺、そんな経験ないもん。
お前は昔からモテてたからな~…」
「…何それ。
つか別にモテてねーし」
思った通りの事を言っただけ なのに、
カナタは やれやれ と、今度は呆れたような溜め息を吐いた。
「自覚 無しかい 笑
…お前、普っ通ーにモテるよ。
なんつーの?
一見 怖そう だけど、
話ウマくて誰にも合わせられて…所謂"女子が好きになるタイプ"ってやつ なんだよ 笑
あの子もさ、
ある意味 普っ通ーに、他の女子と同じ感じで お前のトラップ(笑)に引っ掛かっちゃったんだよ 笑」
そう言うと、
"…ま、そう考えると あの子に少し同情 出来るけどな"なんて、続けて無責任な事を ほざいた。