カノン
「何かぁ~、
ヒカリって、仕事 夕方からとか多いじゃん?
それまで だったら、仕事の時間まで余裕で遊べるじゃん♡」
―…いや 遊べねーし、
それは、お前の場合だろーが…―
と、思ったけど
また言葉として発するのが面倒 臭くて、代わりに大きな溜め息を吐いた。
楓は構わず話を続けている。
「確か11時半にオープンだからぁ~…」
「…つか、行かねーし」
「何で!?」
「何で って…、
…マジで分かんねーの?
はぁ…。
もう、いいや。
…とにかく俺は行かねーから」
説明すらも面倒 臭くなって、
また大きな溜め息を吐いた。
楓は、さすがに今度は俺の機嫌が悪いんだと気付いたみたい だったけど、
悪びれる様子は無く、続けた。
「12時に待ち合わせね!
来なかったら、何度でも電話するからw」
こいつ…
俺が電源 切れない って知ってて、言ってんのか。