カノン
「…景さん!!
来てくれたんですね!
お忙しい所、ありがとうございます」
「まさか今日 来て頂けるとは思ってなくて…、
ゲストに入ってませんでしたよね?
失礼しました。
でも よく ここまで、来られましたね!
顔パスですか?笑」
「…そう、意外にも 笑」
「意外って…!笑
景さん だったら、"当然"ですよ」
「いや いや いや…」
…後輩だから、さすが褒めてくれる 笑
何だか くすぐったくなって、
挨拶を早々に済ませると、"じゃあ ゆっくり観させて貰うね~"なんて言って、関係者席に急いだ。
でも さすがに早く着き過ぎて、関係者席には まだ殆ど人が居なかった。
目が合った数人の人に軽く会釈して、
とりあえず、どんどん前に進んでみる。
…だって、皆様 後ろの方に いらっしゃるから!笑
あまり お会いした事ない関係者さん ばかりで、
そんな中、黙って一緒に居るの、気まずいから!笑
ここで客席を眺めてる方が いいな と 思って、
最前のドセン(※最前列のド真ん中)に座って、出入りする お客さん達を ぼんやり と 眺めていた。
「………」
どの位 眺めてたのか分からないけど、
ふと気に なって、時計に ちらり と 目を遣ると、開演まで あと もう少し。
それから 何気なく もう1度 客席に視線を戻すと…、
「…!?」