カノン




信じられない光景が目に入って来て、思わず瞬き、2度見する。




リア……?




でも何度 見ても、どう見ても、君に見える。


友達と一緒に来ているのか、

その子に何事か話すと、君は客席を離れて行った。




ここまで来て、帰るって事は、さすがに無いよな…。


じゃあ、もしかして…トイレとか…?




客席から出て行く君を目で追いながら そんな事を考えて…、

気が付いたら、体が勝手に動いていた。






…君に、電話を掛けてた。


君の従姉妹…マナミちゃんに聞いた、番号。


嘘を教えられる事は無いと思ってるけど…、

どんなに待っても呼び出し音は切れなくて、もしかして違う番号なのかな って、ちょっと不安に なった。




でも ここで何とか しなかったら、もう2度とチャンスは来ないと思って、

一生懸命 思考を巡らせる。





< 243 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop