カノン
―…
『………リア…?』
『………』
俺の速度に付いて来れてるか心配で、君の名前を呼んだ。
返事が聴こえないから振り向くと、
君の戸惑った大きな瞳と、目が合った。
でも口元は案の定、今にも泣き出しそうなのを堪えるように唇を噛み締めてて…、
俺は歩くのも やっとの様子の君の手を、少し強めに引っ張った。
…何で、いつも1人で我慢しようと するんだよ…。
『馬鹿 りぃ』
『……?』
『……1人で泣くな』
『……』
『1人で全部 抱え込もうと すんじゃねーよ…、馬鹿』