カノン
「…いや、何で そう思ったか って言うと…
人を見た目で判断するのは良くないんだけどさ、
正直、見た目?笑」
「見た目、ですか…笑」
少し首を傾げる景さんが何だか可愛くて、
気付いたら、笑っていた。
「いや ほんと、見た目で判断しちゃ いけないんだけどさ、
…でも うちらのファンの子って、見た目で何となく分かるんだよ 笑」
「あー…、それは確かに何となく分かる気も…」
頭の中に
金髪でロック テイストな女の子像が、浮かんだ。
「…何か、そういう子達とは、また別の雰囲気だったから。
何つーか…うちのバンドって いうより、
ルアンとか…キラキラ系のバンドのファンっぽくて 笑」
「……やっぱり、そう見えますかぁ~?笑」
″ルアン″という名前を聞いた瞬間 胸がチクリと痛んで…、
そう答えるのが、精一杯だった。