カノン
そう言って 君の手を引いて行こうと したら、
それを、後ろから聴こえるリーダーらしき奴の怒鳴り声が…呼び止めた。
『ちょっと、待ちなさいよ…!
さっきまで うちらに反抗しまくってた癖に、
急に黙りこくって、目うるうる させて、何なの!?
かわい子ぶって…
XXくんの事 利用してるの、見え見え なんだよ!!
マジ、フザけんな!!』
『…!!』
その声が届いた瞬間、君の肩がビクっ として、動きが止まる。
『リア…、
あんな奴等の言う事なんか、気に すんな』
小声で君に囁いたけど、俺を見つめる君は、また無言で ぷるぷる と 首を振って…
そのまま俺を振り切るように、1人で走り出した。
『リア…!!
…ちっ…』
―こいつら、とんでもない事を してくれた…―
俺は、君を追い掛ける前に後ろを振り返って…
リーダーらしき奴の所へ向かうと、彼女の横の壁に思い切りドンッと、拳を突き立てた。
『…!!』
『傷付けたくないから、
これで最後に してくれる?』
『……』
『意味、分かった?
今回だけは見逃すから、
2度と あいつに手も口も出すなって、言ってんだよ』