カノン
思わず飛び出したけど、
意外にも祐貴もマナミちゃんも、俺の後を追い掛けて来る事は なかった。
それは それで助かるんだけど…。
でも
少なくとも、マナミちゃんは君の連絡先を知ってる。
…それが何だか、一抹の不安を残した。
もしマナミちゃんが、君に連絡したら…。
"祐貴を向かわせるから、そこで待ってて"なんて言われたら…。
そこまで考えて、
慌てて その考えを打ち消す。
今は君を見つける事が先決…。
何しろ君は具合 悪いまま飛び出してってるんだし、
そうじゃなくても、
只でさえ君は知らない人に声を掛けられ易いタイプだから……。