カノン




「だから、ヒカリさんの歌詞 読んでると、

その子への愛が溢れてて…ほんわか した気持ちに なるんですよ。


同時に…、

自分が側に居られない分、他の人よりも その子の事を心配してるんだな って いうのも、

すごく伝わって来るんです」




「……サナは それ…

実話だと思ってんの?」




…つか完全に、そんな口ぶり だけど。






「勿論 内容は どうか なんて、知りませんよ?


ただ、

確実に同じ人の事 書いてるなぁ って思うだけで……


…って、わぁー

ごめんなさいっ!




でも これ、

他の人は そんな事、これっぽっちも思ってないですよ!!


…私だけ です!!


私が何となく そうじゃないかなぁ~って思ってるだけ、なんですっ」




そこまで言うと、

話題を逸らそうと したのか、わざとらしく、ぽんっと手を叩く。






「…あっ そう言えば…、


ヒカリさん、

今日 飲み会…じゃないですか?」




「……」




マネージャー…"サナ"は 気を利かせたつもりみたい だけど、

その所為で、思い出したくない事を、思い出した。




思わず顔を顰めた俺に、

何が楽しいのか…、にこにこ笑いながら、言う。






「珍しく、女の子が来る飲み会…なんですよね?


ヒカリさんは全然 乗り気じゃないみたい ですけど(笑)…、

女の子が来るって事は、それだけ出会いのチャンスが ある って、事じゃないですか?




……"運命の人"に、

出会えると いいですねっ」





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