カノン
「ヒカリくん、どうしたの?」
呼び止められた あたし じゃなくて、
なぜかマナちゃんが、言った。
「ちょっと……、先 行ってて、くれる?
…後から すぐ行くから」
マナちゃんに向かって、景さんが優しく言った。
景さんに言われて、マナちゃんも反抗 出来なかったみたいで、
笑顔で、言った。
「…そ?
じゃあ、待ってるから…ね~♡
絶対 来てねっ♡」
「…………」
去り際、マナちゃんが すごい顔で こっちを見てったけど、
あたしは景さんに これから言われる内容の方が怖くて、
びくびく しながら、景さんを見上げた。
「…………あ、あのー…?
景さん…
何でしょう、か…?」
…恐る恐る訊くと、
景さんは少し、口の端を吊り上げて、言った。