カノン
…マナちゃんだ。
―マナちゃん…、ごめんっ―
マナちゃんの顔 潰すような事しちゃって…。
でも後で あたしを悪者に しとけば良いから!
ほんと、ごめんっ!
…心の中で謝って、更に走った。
「姫ちゃん、待って!!」
今度は祐貴さんの声まで、聴こえる。
―…やめてぇ~…
お願いだから、追い掛けて来ないで~―
これ以上 祐貴さんに恥ずかしい姿 見られたら…
もう、祐貴さんのライブ行けない…!
……咲くんが、見られなく なっちゃう。
―…咲くんが……―
「………」
「……姫ちゃんっ」
「!」
咲くんの事を考えたら、いつの間にか足が止まってた。
「…はぁ。
やっと追い付いた~。
もう、オジサンを走らせないでよ!笑」
すぐ近くで、
祐貴さんが笑いながら、言った。