カノン
「……景さん って、
先輩っぽく ないんですか??」
「え…?」
いきなり そう言ったら、
祐貴さんが、少し不思議そうな顔をした。
「…あ いや、だってSIVAさん って、
若手バンドマンさん達の憧れみたいなバンドさん じゃないですか?
咲くんもMCで、
すごいバンドさんの代名詞、みたいな感じで
SIVAさんの名前、よく出してたし…、
他のメンバーさんの事は、
祐貴さんも″さん付け″してる…じゃないですか?
景さんだけ、言いやすいキャラなのかな って、思って…」
「……うーん、そう見える…?」
祐貴さんが立ち止まって、あたしを見た。
それから暫くして また ゆっくり歩き出して…、
歩調に合わせるか の ように、言った。
「……ひーちゃん って 実は、
昔ヴォーカルじゃなくてドラム、やってたんだ。
SIVAの前の前の、バンド…かな」
「…あ、そう言えば……」
…ネットで調べた時、
そんなような事も、載ってた気が…する。