カノン
入れ替わっていたんだ…
多分もう、とっくに。
自分の気持ちに気付いた時、
涙が出そうに なった。
―あたしは、本当は……―
あたし1人が″運命だ″って思ってるのが痛いから…
それを景さんに知られて嫌われるのが怖いから、
期待を捨てて…諦めた。
でも…
本当に それで、よかったの…?
いや、
″それで いい″って思ったから、今日あたしは ここに居た。
でも……。
″それで いい″って言うのと、
″それが いい″って言うのは、違う…。
「……」
そのままホテルのある方向へ歩きながら、あたしは携帯を取り出して…、
思い切って、ボタンを押した。