カノン
「いや、ストーカーとか じゃなくて、…ね 笑
………入院してた時…、
マネージャーが、事務所に届いてた手紙、全部 持って来てくれたの。
普段はさ、
ライブ終わった後に、ホテルとかで皆がプレボ(プレゼントBOX)に入れてくれた手紙 読んでたんだけど…
声が出なくなった、あのライブの後は さすがに読めなかったから…、
あのライブの時の手紙と、その後 事務所に届いた手紙…、
それから その前から届いてた手紙もね、全部」
「…………」
「あの時はツアー中だったから、
事務所に届いてた手紙は只でさえ、溜まってたんだ。
その上、
あのライブの時の手紙と、俺の喉の心配をした手紙も たくさん送ってくれたから、
正直 手紙の量は、いつもより…多かった」
「………そ、そうです…よね…」
″手紙の量が多い″って…
SIVAさん規模のバンドさん だったら当たり前の事実なのに、
ファンの多さを改めて実感させられて…溜め息 混じりに、返事をする。
そして危うく、
その後に続いた景さんの言葉を、聞き逃しそうに なった。
「でも……、
それでもね、
リアちゃん からの手紙は、…読む前から、分かった」
「……え…?」