カノン
…一旦 流れていった言葉の断片を頭の中で組み立てて、
やっと意味を理解した時、またしても思わず間抜けな声を、出してしまった。
景さんは、そんな あたしの反応が面白いのか、
少し笑いながら、続けた。
「…まず、犬の封筒ね 笑
俺が犬好き ってのは、もしかしたら雑誌か何かで見て知ったのかもしれない けど…、
リアちゃん自身も、犬好き…だよね。
俺がキュンと来るのと同じポイントで、きっとリアちゃんもキュンと来るんだろうな って、
封筒 見て、何となく思ったんだよ。
多分、この封筒 選ぶのは、リアちゃん だろう…って 笑
あと…
あれ、丸文字って いうの?
リアちゃん、すげー可愛い字、書くよね 笑
…俺の中のリアちゃんの、イメージ通りの字だったから。
中身 見る前から、″きっと これは、リアちゃんだ″って、思った。
…で、
実際 読んだら、完全リアちゃん じゃん?笑」
「………」
「それに…、
さっき″手紙に書いて あった″って言ったけど、
例え書いてなくても、
リアちゃんの事だから、あの手紙 書いたら、俺から離れよう と するだろうな…
ってのも、…分かった」
「………」
「……リアちゃんは、
最後の最後に ならないと、本心を見せてくれないタイプだ、と…思ってて。
あの手紙の内容は、本心だったと思うから…、
そこで本心 全部 書いたら、多分その後、姿 消されるだろうな と 笑」
「………」