カノン




「……彼、

人の名前 覚えるのが、恐ろしく苦手なんです 笑


…もう、

特に興味の無い人だったり したら、全然なんですよ~笑




私の事″サナ″って呼んでるのも、本名が ややこしいからで…」




「…?」






「…あ、さっき言い忘れちゃったんですけど…、

私の本名、″佐々倉 蛹″って いうんです。


にんべん に 左の"佐"に繰り返す時に使う"々(どう)"って漢字に、倉庫の"倉"…

それに虫の″蛹″で、″ささくら さなぎ″。


…変な名前、でしょう 笑」




「いえ!


そんな事…」




電話なのに、思わず ぶんぶん と 首を振って言ったら、それが分かったのか、

サナギさんは笑いながら″リアちゃん って、やっぱり思った通りの人ですね″と、言った。






それから少しトーンを落として、何か思い返すように、ゆっくり と 続ける。





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