カノン
「あはは!
そんなの、全然 良いのに~!
それに…
最初っから、知ってるし 笑」
「…?」
「…ライブ、よく来てくれてたでしょ?
いっつも最前で…、
えーと…確か…″ユウリちゃん″だっけ、
…の、友達…でしょ!」
え…
言わないも何も、ばっちり覚えられてる…?
覚えて貰ってた事は とっても ありがたい事のはず なんだけれど…、
この状況じゃ、喜んで良いんだか悪いんだか……。
…複雑な心境だ。
「…………」
「…心配しなくても、
みんなの前では、姫ちゃんが″ルアン ファン″って事、
気付かない振り してるから、大丈夫だよ!」
あたしの心の葛藤を見抜いている みたいに、
祐貴さんが言った。
…咲くん盲目な あたしでも思わず ぐらっ と 来るくらい、
祐貴さんの笑顔は、素敵だった。