カノン
「″サナ″って呼ばれてるから って、
私が″特別″なんじゃ、ないんです。
景が私の事をサナって呼ぶのは…、
さっきも言いましたけど、
あくまで、景が うちのベースの事を好き過ぎるって いうだけ、で 笑
実は…、
景はSIVAでヴォーカルをする前、
さっき言った…今のベースと昔やってたバンドで、ドラムを してたんです。
…だから彼とは、
同じリズム隊として、″相棒″みたいな関係だったんです」
「………」
「……その後、結局そのバンドは解散したけど、景とベースは そのまま残って…、
その時 既に、彼と一生 一緒にバンドを やってく事を決めてた景は、
SIVAを結成して、最後までヴォーカルが見つからなかった時…
自分がドラムからヴォーカルに転向したんです。
って、こんな話まで してるとこ、
景に聞かれたら怒られちゃうな……笑
…あ、実は この電話、
景が席を外してるうちに、内緒で こっそり掛けてるんです…
…と、とにかく!
景とベースが出会わなかったら、SIVAは今 存在してない事に なるので、
2人の出会いは とても大切な出来事、だったんですが」
「………」
「景が私の事を″サナ″って呼ぶように なったのは、
完全に、その2人の出会いの所為、です。
…それ以外の理由は、ありません」