カノン
「………サナ。
お前…人の電話で、何やってんだよ」
その時、
電話の向こうで、景さんの冷たい声が…した。
…今まで聞いた事がないような その声に、
一瞬、背筋がゾクっと した。
けれど それに対してサナギさんは場違いな…、
間の抜けたような、ふにゃふにゃ した声で、言った。
「す、すみません~!
…でも景さん、
あんま怒んない方が いいですよぉ~…電話の相手、リアちゃん なんでw
そんな声 出したら、
リアちゃんが、怖がっちゃいますよ?
…景さんの その声、
結構 迫力、あるんだから。
…あ、じゃあリアちゃん、
景が戻って来たので、電話 代わりますね。
……それではっ」
景さんに怒られるのを避ける為なのか、
電話を渡すと、サナギさんは その場を去ってしまったよう だった。