花に、嵐
「そりゃ長男次男には決まった相手がいるんだろ」

「あ、………そっか。それ全然思いつかなかった。でも、それにしたって別にお見合いなんかしなくてもよさそうな感じなのに」

「………どっかでお前を見初めたとか？で、お見合いをセッティングしてもらったとか」


「ま、まさか！そんなことあるわけないじゃない！」

旺司郎からの有り得ない言葉に思いっきり否定した。

そんなこと、朔ちゃんならまだしも、私に限ってあるわけないよ！

「……だよな～。んなことあるわけないよな」

「………」

ないとわかっていても旺司郎に言われるとなぜか腹が立つ。

「で、お前はどうしたいわけ？」

「あ、う、うん……」

さっきから私と旺司郎の会話に全然入ってこない朔ちゃんをチラリと見る。

「朔ちゃん？」

「───」

「兄貴？おーい兄貴！」






< 46 / 79 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop