花に、嵐
旺司郎が朔ちゃんの目の前で手をひらひらさせながら覗き込む。

でも朔ちゃんはそれには気づいてないような、心ここにあらず、という雰囲気。

なんだか珍しい光景に思わず、旺司郎と二人して首を傾げた。

「……お前の結婚が、よっぽどショックだったか」

「え!?そ、そうなのかな!それって、それって、もしかしてもしかして朔ちゃん、私のこと実は好き─」

「そんなわけないでしょう」

「あ、正気に戻った」

「ええっ!?」

もしかしての甘い期待はあっさりと否定されてしまった。

がっくり。

チラリと朔ちゃんを見上げれば、絶対零度の視線とぶつかる。

なんでそんな怖い顔してるのよ。











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