花に、嵐
とりあえず、なにか言われる前に自分の部屋に行こう。
美桜ちゃんとなにかを話し始めたママから逃げるようにそっと足をリビングの外に向けた途端。
「花菜」
それを待ってたとばかりにママに呼び止められた。
背中向けてたはずなのに!!
隣に立つ美桜ちゃんも思わず、え、と戸惑うような声を出していた。
それぐらい突然呼ばれた。
「……なに?」
だから、身構えてしまうのも仕方ないと思う。
「いやだわ、花菜ったらそんな怖い顔して」
ニコッと効果音がつきそうなくらいの笑顔が逆に怖いわ!
「お夕飯は食べたの?」
でも、ママの口から出た言葉は極々普通の話題で「お夕飯?」と一瞬ポカンとして聞き返したあと、ホッと肩を撫でおろす。
ママの呼び方がなんだか含みがあるような気がしたのは気のせいだったのか?
「…まだだけど、甘いもの食べちゃったから今日はいいや」
朔ちゃんが用意してくれた桜餅は半分も食べてないけど、失恋?のあとでは食欲もない。
「まあ、ダメよ、ちゃんとお夕飯は食べないと。ママも美桜もこれからだから一緒に食べましょう」
「え、うーん、でもあんまり食べられないと思うけど……」
逃げる気満々なのがわかってるのか。
「それでもちゃんと三食食べなさい」
有無を言わせないママに仕方なく、渋々テーブルについた。
美桜ちゃんとなにかを話し始めたママから逃げるようにそっと足をリビングの外に向けた途端。
「花菜」
それを待ってたとばかりにママに呼び止められた。
背中向けてたはずなのに!!
隣に立つ美桜ちゃんも思わず、え、と戸惑うような声を出していた。
それぐらい突然呼ばれた。
「……なに?」
だから、身構えてしまうのも仕方ないと思う。
「いやだわ、花菜ったらそんな怖い顔して」
ニコッと効果音がつきそうなくらいの笑顔が逆に怖いわ!
「お夕飯は食べたの?」
でも、ママの口から出た言葉は極々普通の話題で「お夕飯?」と一瞬ポカンとして聞き返したあと、ホッと肩を撫でおろす。
ママの呼び方がなんだか含みがあるような気がしたのは気のせいだったのか?
「…まだだけど、甘いもの食べちゃったから今日はいいや」
朔ちゃんが用意してくれた桜餅は半分も食べてないけど、失恋?のあとでは食欲もない。
「まあ、ダメよ、ちゃんとお夕飯は食べないと。ママも美桜もこれからだから一緒に食べましょう」
「え、うーん、でもあんまり食べられないと思うけど……」
逃げる気満々なのがわかってるのか。
「それでもちゃんと三食食べなさい」
有無を言わせないママに仕方なく、渋々テーブルについた。