恋の駆け引き
待ち合わせ場所に私が着いたのは、十時五分ぐらいだった。



そのときには遠藤は既に来ていた。



待ち合わせの場所の近くになり、一人、遠藤らしき人物が確認できたが、気づかない振りをして、待ち合わせ場所に立っていた。



その人物を見たとき、私は、このまま通りすぎようかと思った。



なぜならば、見た目は、決して好い男ではなかったからだ。



一緒に歩きたくなかった。



しかし、今日だけの我慢と自分に言い聞かせ、待ち合わせ場所に行った。



その人物が、私に近寄ってきて、

「美香ちゃん?」

と声をかけてきた。



やっぱり遠藤だった。



「はい」

と私は答え、車を置いてあるというところまで、簡単な挨拶をしながら行った。



「場所わからないと思って、メールしたんだけど・・・」


と、車まで行く途中の会話で言われた。



私は、メールが入ったことなど気が付かなかった。



携帯を確認すると、確かに遠藤からメールが入っていた。



しかし、読むのもめんどくさかったので、確認したときに内容は読まずに消去した。



たった五分遅れただけでメールしてくるなんて、本当に私と合わないと思った。



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