恋の駆け引き
 お昼を食べる場所を何処にしようかと、また歩いた。



 結局、トイレに行った横のレストランに戻り、そこで食事をした。



 店の中はすごく暑く、食欲がわかなかったが、食べないわけにもいかなかったので、しぶしぶ食べた。



 そのレストランは、注文と会計を済まし、番号を呼ばれたら、食事を取りに行くというシステムだった。



 遠藤は、番号札を持ち、番号が呼ばれる前に、カウンターに食事を取りに行った。



 私は、番号を知らなかったので、遠藤がたぶん食事を取りに立ったと感じたが、席に座ったまま待っていた。



 遠藤が、食事を持って戻ってくると、何も言わずに何処かにまた行ってしまった。



 今度は水を取りに行ったのだ。



 私は、周りの席の人を見て、水何処にあるのかな、後で取りに行こうと思っていた矢先に遠藤が水を持ってきた。



 食事をしているとき、遠藤は会話などしないで、黙々と食べていた。



 食べ終わったと思ったら、おかわりの水をまた取りに、遠藤は席を立ち、戻ってきたと思ったら、タバコをすい始めた。



 気を使ってもらわなくていいところで、必要以上に気を使うのに、気を使ってもらいところでは、気を使わない人だと、このとき感じた。



 もうすこし、会話をしながら、食事をしたほうが、二人の距離は縮むとは考えないかと思った。



 遠藤がタバコを吸っている間に、私はトイレに行き、一応の身だしなみを整えた。



 そのときも、また、遠藤と一緒に居たくないと鏡に向かって、言った。
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