恋の駆け引き
　火曜日、私はお昼を友達と食べて、駅前をぶらぶらしながら、家に帰って、昼寝をしていると、午後二時頃、遠藤さんから明日のことでメールが入った。



　私はメールを見る前に、多分遠藤さんからのものだと思ったので、特に確認をしないで、昼寝を続けた。



　夕方、目が覚めてから、メールを確認したところ、


　　「午前十時、待ち合わせでいい？早い？」


　　　　　　　　　　　　　と書いてあった。



　私は夜出かけていることになっているので、その時は、返事を書かなかった。



　午後七時頃、遠藤さんから再び確認のメールが入った。


　　「明日、大丈夫？」


　　　　　　　　　など、簡単なものだった。



　その時も私は、返事を送らなかった。



　次に遠藤さんからメールが来たのは、午後十時過ぎだった。



　そのメールは、私からメールの返事が来ないことに、半分腹を立てているように取れるものだった。



　　「明日の確認したいんだけど、連絡返事ください。」


　　　　　　　　　　と書いてあった。



　私は、仕方なく


　　「時間は、十時で大丈夫です。待ち合わせ場所、変更をお願いします。」


　　　　　　　　　　といった内容の返事を書いた。



　最初に、待ち合わせの場所に指定したところは、駅から近い場所だったが、駅に行くのがめんどくさかったので、駅よりは近く、家からは少し遠いが、知り合いには会わないだろうと思う場所に、変えてもらった。




　遠藤さんには、家の場所を嘘ついて言ってある。



　なぜならば、遠藤さんの職場と私の家が近いため、本当のことを言えば、家がわかってしまうし、もしかしたら、通勤に家の前を毎日通っているかもしれない、本気で付き合う気がないのに、家がわかってしまうのは、嫌だったため、もし、送ってもらったときに、歩いて帰ることの出来る場所に住んでいると、言っていた。




　
< 8 / 28 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop