叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


その瞬間、ゾクッーと心が震えたと思ったら、心臓がバクバクと激しく動きだした。


……やべぇ。

ドキドキはんぱない。


未だかつて、こんなに自分の名前が素敵な響きに感じたことがあっただろうか?


不意に彼女の頭に乗った桜の花びらが目に入った。
ゆっくり手を伸ばして照れ隠しにそれをつまみ取る。



「桜が頭に……」


『…………』



手の中の花びらを見せるとほのかに顔を赤らめてみせた相沢優夜に、俺まで顔が赤くなる。


なんだ、この状況。

だせぇ……オレ。


照れ臭くて少しうつむいてしまう。

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