叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
二人とも見た目はまったく同じなのに。
メガネと仕草と性格が違うだけで、誰でもすぐに見分けられる双子だった。
気の強い姉と、気の弱い妹。
「ねぇ優花。お願い、お金貸して?」
「え……でも、この前貸したばかり……」
「いいじゃん。どーせ遊ぶ友達とかいないんでしょ?お金いらないじゃん」
なんだよ、それ。
言われたのは俺ではないのに、優夜ちゃんが言った優花ちゃんへの言葉に怒りを覚える。
ちょっと代わりに俺が文句でも言ってやろうと思ったその時……。