叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「……!?」
すると突然、頭に伸びて来た白くて細いキミの手。
背伸びをしてる彼女が一生懸命に手を伸ばしている。
そんな姿に胸がキュンとする。
『ふ、ゆ、き、も』
……え?
彼女も、手のひらを見せた。
そこには桜の花びらが同じようにあって。
ーートクンッ……!
胸が小さく、鳴る。
それは鈴の音みたいに儚く、でも確かに俺の心には響いていた。
……冬樹も。
「ははっ、ホントだ。同じ……だな」
『うん!』
こんなちっぽけなことで笑い合えるなんて。
こんなに自然に笑ったのは、いつ以来だっけ?
彼女の柔らかい笑顔、フワフワした可愛らしい雰囲気に癒される。
流れる空気はとても穏やかだった。
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