叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
ーーピリリリリッ!
鳴り始めた目覚ましを止めて頭がポーッとしながら起き上がる。
……朝だ。
二度寝したい衝動を必死で抑えながら、眠気まなこで黒い学ランを白のカッターシャツの上に着た。
……学ランなんて中学校以来だな。
一年ぶり?
そして眠たい目をこすりながら家を出た。
そして昨日覚えたばかりの道を歩く。
ーー『ありがとう』
ーー『冬樹も』
気づけば、
昨日あったことを何度も何度も頭の中で繰り返してはニヤついている俺。
消えない。
昨日感じた心の温かさと照れ臭さが。
『ばいばい』
最初のおびえた顔から最後のキラキラした笑顔まで。
……なんか、やばくね?
ちょっとした変態みたい。
でもさ。
また、あの子に会いたいってそう強く思うんだ。