叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
俺のすぐ後ろに目線を合わせた仁に心臓が飛び出そうなぐらい跳ね上がった。
まさか、相沢に聞かれた……!?
バッと後ろを振り返るとそこに居たのは同じクラスの男子。
もう一度言う、同じクラスの男子。
……は?
「相沢は……?」
「ぷぷぷ。引っかかってやーんの」
「……てめっ……ふざけんな!!!」
なんなんだ!!!
いつものように悪戯っぽく笑う仁に腹立たしくも、すこし嬉しくなる。
……この感じ、いつもの感じ。
温かい空気が流れていく。
いつか、大人になった時、
こういうふざけ合った日が大切な思い出として心に刻まれていたりするのかな。
思い出は人を強くする。
こんなに楽しいことがあった。だから前に進める。また今日みたいになにか楽しいことがあるかもしれない。だから。
だから、人はまた手探りしながらも生きて行くんだ。
生きて行きたいと願うんだ。