叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
第12話『君のこと』
「相沢、おはよう!」
教室へ行くと既に相沢は着席していて。
挨拶すると目尻を下げてニコッと笑ってくれた。
もっと見ていたい、相沢の笑顔。
かわいすぎやしないか?
……そんな相沢にそっくりだった優花ちゃんか。
俺も会ってみたいかもしれない。
もしも、優花ちゃんが自殺未遂なんかせずに、相沢も声を失っていなかったら。
俺たちどんな風に出会っていたんだろう。
俺はちゃんと相沢を好きになっていたかな。
相沢は今よりも笑っていたかな。
「優夜ちゃん、夏休みの予定は?」
『……?』
「よかったら三人で遊ぼうよ」
仁が相沢を遊びに誘っている。
え!?三人!?
焦った俺と目が合うと片目ウインクで飛んで来た仁に悪寒がした。