叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
屋上のまわりを囲む編み編みのフェンスをガシャンと掴むと背より高いそれを華麗に乗り越えてしまった相沢。
空が視界いっぱいに広がっているからか、彼女が一瞬だけ空を飛んでいるかのように見えた。
そして空を見上げてなにかを想っているような切ない表情。
……!?
「あ、相沢……!?」
思わず声をかけるとビックリしたように相沢がこちらを振り返る。
待て待て待て。
まさか死ぬ気じゃ……?
「ちょっと待って。死ぬなんてそんな…!」
『…………』
「考え直してくれ。俺が相沢を笑わせる!絶対昨日より今日、今日より明日、楽しくしてみせるから……!!」
だから、死ぬなんて考えないで!
俺を信じて……ってあれ?
ヒョイっと簡単そうにまたフェンスを乗り越えて来た相沢が申し訳なさそうな顔をして見せた。
死ぬ気……じゃ……ない?