叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
第13話『夏の夜、君と約束』
ミーン、ミーン、ミーン。
うるさい蝉の声。
夏休み3日目。夏沙の相手したり家の仕事を手伝ったりして過ごしていたけれど。
……あぁー!もう無理!!
相沢に会いたい!!!
こんなに好きな人に会えない毎日が辛いなんて、知らなかった。
部屋のベッドに寝転びながら、扇風機を見た。
暑いなぁ……。
ーーブブッ。
そんなことを考えているとスマホのバイブ音がして、手を伸ばす。
なんの着信だったのかを見てみると仁からのLINEが届いていた。
『冬樹、遊ぼうよ〜。冬樹に会えなくて寂しい』
俺はお前じゃなくて相沢に会いたいんだけど。
……眠いから無視しよ、無視。
ーー10分後。
ブーブーブーッ。
今度は仁から着信を知らせるバイブ。
あ〜ったく。
「もしも……」
『既読無視するなんてひどいっ』
「あー……うん。わりぃ、わざと」
『今から遊ぼうよ』