叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「帰ったらお母さんとちゃんと仲直りするんだぞ」
『うん……』
わかりやすく、元気のない表情。
そんな相沢を励ますように握る手に力を込めた。
大丈夫。相沢なら大丈夫。
そしてしばらく歩くとさっきの騒がしさがウソのように静かになる。
相沢といられるのも、あと少しか……。
そう思うと寂しく感じた。
昨日からずっと一緒にいるからかな。
まだ一緒にいたいだなんて、わがままなことを考えてしまう。
ずっとそばにいられたら、いいのに。
「……ここ?」
『うん』
住宅街の一角。
ある一軒家の前で立ち止まった相沢に俺も立ち止まる。
どうやらここが相沢の家みたいだ。