叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


「優花ちゃん……なんで……」


「詳しく話すと長くなるからまた今度ね」


『…………』


「……へぇ?話せなくなったって、本当だったんだぁ?」



明るくきさくな声と笑顔。


ずっと会いたいと思っていた相手が目の前にいるってどんな気持ちなんだろう。


仁、今お前はなにを考えてる?


そして……相沢。


今にも泣きそうな相沢の目をすぐにふさいであげたくなった。



「いろいろわからないことあると思うから教えてねっ!えっとぉ……」


「水田冬樹だよ。俺でよかったら、全然」


「冬樹くんね!ありがと〜っ!」



空気は重たいのに、それを無視したような明るさ。


優花ちゃんはなにを考えているんだろう。


相沢と双子をやめたいって言って別れたのに、なぜ今になってわざわざこの学校のこの教室に転校して来たんだろう……。


< 208 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop