叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


優花ちゃんは相沢のことを許せていないんだと思っていた。


もしも、優花ちゃんが今も許せていなくてここにいるんだとしたら……


すこしだけ怖い。



「冬樹くん!次、体育館で始業式だよね?!」



嫌な予感がしてたまらない。

俺に笑いかける表情に影が見える。


ダメだ。

疑いたくない。


相沢と仁と、仲直りしに来たはずだよな。


そうだと信じたい。







「冬樹くん、お願いがあるの!職員室に行きたいんだけど、場所がわからなくて……」



放課後。


職員室を目指して廊下を優花ちゃんと歩く。


背も、相沢と同じぐらい小さい。


横顔もそっくりだ。
なにが違うって、髪の毛の長さと唇の微妙な形ぐらい。


相沢は胸元まであるロング、優花ちゃんは鎖骨ぐらいのセミロング。



「冬樹くんってかっこいいよね」


「そ、そんなことないよっ」


「そんなことあるある〜!」


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