叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
優花ちゃんは相沢のことを許せていないんだと思っていた。
もしも、優花ちゃんが今も許せていなくてここにいるんだとしたら……
すこしだけ怖い。
「冬樹くん!次、体育館で始業式だよね?!」
嫌な予感がしてたまらない。
俺に笑いかける表情に影が見える。
ダメだ。
疑いたくない。
相沢と仁と、仲直りしに来たはずだよな。
そうだと信じたい。
*
「冬樹くん、お願いがあるの!職員室に行きたいんだけど、場所がわからなくて……」
放課後。
職員室を目指して廊下を優花ちゃんと歩く。
背も、相沢と同じぐらい小さい。
横顔もそっくりだ。
なにが違うって、髪の毛の長さと唇の微妙な形ぐらい。
相沢は胸元まであるロング、優花ちゃんは鎖骨ぐらいのセミロング。
「冬樹くんってかっこいいよね」
「そ、そんなことないよっ」
「そんなことあるある〜!」