叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「相沢、今日の放課後……」
「あっ!いたぁーっ!!冬樹くん探したよぉ〜?」
放課後空いてる?
相沢とゆっくり話したくて放課後にカフェにでも誘おうと思ったんだけど、
元気よく呼ばれたその声にギクッとして言葉が引っ込んでしまった。
「……ゆ、優花ちゃん!」
「数学の課題のこと聞こうと思って探してたんだよ?行こう?」
俺の腕を持って「早く、早くぅ」と引っ張る優花ちゃんに戸惑いつつ、相沢に「またあとで!」と叫んで優花ちゃんについて行った。
まだ、相沢と話していたかったな。
せっかく二人で話していたのに。
満足そうに笑う優花ちゃんにほとほと困ってるんだけど、
冷たくは、できない。
それだけはできない。
仁が前に言ってた特別って本当に難しい。
でも俺、結構相沢に特別扱いしてると思うんだけど。
そうでもないのかな?