叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
第19話『消えた記憶と約束』
それがまるで、ほんのすこし息を吹きかけただけで消えてしまいそうな、か弱い灯火だったとしても
……まだ消えてない。
そう、まだだ。
その灯りが消えていないんだから
まだ諦めるには理由が足りない。
「……くそっ……」
あれからどのくらい時間が経ったんだろう。
よどんだ空気のクラスに、みんながうつむいていた。
……相沢は生きているのか?
目を閉じては開けて。また閉じるを繰り返していた。
目を閉じれば、すぐそこには君がいて。
最後に一瞬だけ見えた相沢の清々しい顔が忘れられない。
死ぬことに躊躇がなかった。
飛び降りることに恐怖がなかったんだ。
そんな選択をさせてしまったことに今は後悔しかない。
だけど、どうかお願いだ。
ーー…相沢、無事でいてくれ。
彼女からの手紙を祈るようにずっと両手で握り締めていた。
お陰で手紙はくしゃくしゃだ。
相沢の気持ちが詰まった。
本音の手紙。