叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
汚れをしらない笑顔に癒されつつ、
もう時間がないのに夏沙がなかなか離れてくれないから抱っこしてリビングに向かった。
嬉しそうにキャッキャはしゃぐ夏沙。
「おはよう、冬樹くん。……あら、夏ちゃんお兄ちゃんにお姫様抱っこいいわねぇ〜!」
リビングでは叔母さんがコーヒーを片手に新聞を読んでいた。
「なつ、お兄ちゃんのお姫様ぁ!」
「おはようございます。おいしょっと。叔母さん俺もう時間ないんで行って来ます!」
夏沙を下ろすと、玄関に向かう。
「あ、待って!これ、冬樹くんに!」
クツを履いている俺に叔母さんが大きな袋を差し出した。
え?
「良かったらコレ履いて、デート頑張って来て!」
受け取った袋を開けると深い紺色のスニーカーが入っていた。