叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
番外編
鳥になる瞬間
【side優夜】
たまに屋上に行っては、あの時、優花がどんな気持ちだったかを考える。
金城高校の屋上の柵をこえ、両手を広げるの。
風が吹いてるのが少し気持ちいいけれど、下を向くと背筋にゾクゾクッと変なものが走るぐらい怖かった。
……こんなに怖いのに、
死ぬ怖さよりも、生きる怖さに耐えられなかった双子の妹の優花。
優花を自殺に追いやったのは……私。
あの時『いじめられて死んじゃえばいい!』って言葉。
優花に届いてしまった。
私の、声に、乗って。
優花が自殺したその日、
私は自分の言葉を呪った。
自分の声を消したくなった。