叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
『おつかいだよ。 冬樹は?』
お、おつかいか……。
混乱しすぎてノートの中の可愛らしい文字を読むことも手間取った。
……俺?
「俺は……」
「あ〜っ!なつのお兄ちゃんに近づくなあー!」
すぐ後ろでしたその大きな叫び声にギョッとした。
後ろを振り向く間もなく俺の前に立つと両手を精一杯に広げて「ゔー」と相沢を威嚇する。
な、夏沙……!?
相沢が驚いたように目をパチパチさせて妹を見ていた。
「ごめん、こいつ俺の妹なんだ」
それを聞いた相沢は夏沙の目線に合わせるように座り込むとノートに『おにいちゃんのお友だちだよ』と書いて見せた。
「ほんとに? なつからお兄ちゃん取らない?」
その、夏沙のか細い声に胸が締め付けられる。
夏沙、お前……。