叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
彼女がそっと慰めるように腕を回して背中をさすってくれた。
母さんが亡くなってから弱味を見せたのは相沢が初めてだ。
良かった、相沢が居てくれて。
相沢がいてくれなかったら俺、ずっと泣けずに壊れていたかもしれない。
やっと、母さんの死を悲しめた気がした。
「おにぃーちゃんっ!あそぼぉーよぉっ!」
「……?!」
めちゃくちゃ近くから聞こえた夏沙の声に、相沢を抱きしめていた手を咄嗟にほどいた。
な、ななな夏沙!?
い、いつの間に……!?
バチ!と目が合うと相沢は顔を真っ赤に染めて、それを見た俺まで顔が熱くなる。
「ふふふ、若いっていいわね〜!」
「本当ね〜!」
俺たちを見ながらおばさん達がクスクス笑う。
思えば、日曜日の公園は人がいっぱいだ。
しかもトイレの前でなにやってんだ、俺ら。
ーーカアァッ……!