叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
俺は無我夢中で相沢を抱きしめていたから気づかなかっただけで、イヤな思いしていたら……
そう思ったら謝らずにはいられなかった。
『初めて男の人に抱きしめられたんだよ』
相沢の、初めて。
好きなひとの、初めて。
グッと胸を掴まれた自分がいた。
こそばゆい感情と、悲しい想いをさせてしまった感情と。
黒板のその文字たちは相沢の気持ち。
涙を溜める相沢の目もとに手をやってその雫たちを拭う。
泣かないで。
笑って見せて。
俺の大好きな君の笑顔。
泣いてちゃ、もったいないよ。
せっかくの可愛い顔が。
……って、俺がそんな顔にしたのか。
「泣かないで。まじごめん」