叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
『嫌じゃなかった。嬉しかったんだよ』
黒板の文字にまた胸が速度をあげた。
嬉しいって…思ってくれるのか…?
ドクン。ドクン。
泣いて抱きしめられたことを嬉しいと言う相沢を前に、
ーー抱きしめない理由がなかった。
『…!?』
「相沢…」
理性よりも、感情が勝った。
抱きしめられたら嫌かなって考えつくよりも、抱きしめたいって強く思った。
守りたいって、そう思った。
これはどんな感情なんだろうか。
俺にはわからない。
だけど今は。
腕の中にいる小さな天使の温もりを、愛しさを、噛み締めていたかった。