叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
第6話『ふたりの関係』
天使に出会ったのかと思ったんだ。
君に初めて会った時。
君の笑顔を初めて見た時。
この人だ…と思ったんだ。
ーーー…運命だと、本気で思った。
「冬樹ん、さっき優夜ちゃんと授業サボってなにしてたんだよ〜っ」
「……教えねーって言ってるだろ」
「ちぇ。ほんとにケチだな。…モテねーぞ?」
「別にいいし……」
「そうだよなー優夜ちゃんにだけモテればいいんだもんなー」
「…………」
「あ、イラッとしたっしょー!はい冬樹の負けー!」
ふざけたように俺をからかって来る仁にさっきから怒りでまゆ毛がピクピクしている。
…あー、本気でうぜぇ。
図書室から帰って来た俺たちに興味津々なのはたぶん仁だけじゃない。
仁と話す俺の方をチラチラ見る視線がいくつもある。
だいたい高校生というのは人の恋バナやスキャンダルには興味津々だし、気になるのは仕方ないか。
「つか仁、いい加減笑いすぎ」
…不機嫌な俺を見てもなお腹を抱えて笑う仁に怒りを通り越して呆れた。
ほんと、いい根性してる。