叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
斜め前を見ると、席に座ってひとり本を読む相沢の姿。
…相沢…。
図書室であったことを思い出すと、やっぱり胸がキュンとして痛い。
あの後、我を忘れ相沢を抱きしめている俺の背中を相沢が「苦しいよ!」とでも言うかのように叩いて現実に戻った。
「あ、ごめん…」
ついつい強く抱きしめてしまった。
謝る俺に頬をぷくっと膨らませて怒る相沢が可愛すぎて思わず笑ってしまった。
そんな顔しても怒ってるようには見えないよ。
……あぁ。
切ないほど、君が愛しい。
ぐっと胸を掴む、出会った日の君の笑顔。
あの日から引き出せていない君の笑顔。
君の心からの笑顔が俺は見たい。