叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。
「ねぇ、名前なんてゆーの?」
うわずった声で話かけると彼女は歩きながら器用に文字を先ほどと同じノートに書いて行った。
『相沢優夜』
「あいざわ…ゆう…や?…で、合ってる?」
うん、と頷いて見せた彼女。
隣を歩きながら彼女のニコニコした横顔を見る。
優しい夜。
「いい名前だね。年は?」
『17』
「お!一緒。俺も17さい」
歩きながら文字を書くのに慣れてるようす。
書くのに夢中で無意識に歩くスピードが遅くなる彼女に歩幅をそっと合わせた。
『私も金城高校だよ』
「まじ?じゃあ同じクラスなれたらいいな!」
『うん』