叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


ゆっくり文字を綴っていく相沢を見つめる。

カツカツとチョークを走らせる音だけが聞こえる沈黙の時間。



『でもその子はシンデレラみたいにハッピーエンドは迎えられなかった』


「どうして?」



黙り込む相沢が静かにチョークを置いた。


ーーー結局その続きは教えてくれなかった。


きっと、そこに相沢の心の中の大きなヒミツが隠されてるのは

なんとなくだけどわかった。


聞きたいけど、相沢はきっと教えてはくれないだろう。


俺ごときが聞いてもいいのかなとさえ思ってしまう。


でも見えないものに対して解決策を考えるのは……やはり難しい。


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